富岡万葉
旧奈良監獄(旧奈良少年刑務所、奈良市般若寺町)が一般公開される今秋のイベントで、気球体験が目玉企画の一つに予定されている。脱獄気分を味わえるかもしれない?
旧奈良監獄は2024年に超高級ホテルに生まれ変わる。ホテル運営者の星野リゾート(長野県)が、11月にも改装工事を始める。1908(明治41)年に建てられ、重要文化財に指定された建造物は耐震工事を施され、内装がホテル仕様になる。
気球体験は年1回のイベント「奈良赤レンガフェスティバル」の企画として、初めて催される。フェスティバル実行委員会の一人、吉野泰司さん(62)は「朽ちた細部も含め、建てられた当時の姿をそのまま見られるのは今秋が最後の機会です」。
2日には、気球の試験飛行があった。
関係者に公開された気球は監獄の裏手にある運動場から飛び立った。目の前にある旧奈良監獄の収容棟が少しずつ遠ざかり、上空約20メートルの高さでストップ。「まさに大脱獄ですね」。参加者から声が上がった。
ただ4、5人乗りのかごのすぐ上では高度調整用のガスが燃えていて、かご内部の温度は操縦士の男性によると「80度くらい」。日光とガスの熱気で汗だくになり、華麗な脱出劇とはならなかったようだ。無風だと上空30メートルほどまで浮上でき、放射状に並ぶ建物の全景が見渡せるという。
フェスティバルは9、10月の週末を中心に約1カ月間、開かれる。元刑務官によるガイドやプロカメラマンが指導する撮影会、受刑者が作った製品の展示即売などが予定されている。
申し込み方法は公式ホームページ(http://former-nara-prison.com/)に順次公開される。(富岡万葉)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル